- マレーシアのMM2Hビザって何?
- 世界的にも人気のビザと聞くけど本当?何で人気があるの?
- 取得の条件や費用についても合わせて知りたい!
という疑問を持つ方は多いと思います。
海外移住がよりカジュアルになってきている昨今、人気の移住先と知られているマレーシアのMM2Hビザを取りたいという方は沢山います。
記事を書いている私(田井能久)は、
FP技能士、不動産鑑定士の国家資格を持ちながら、ロングステイ財団の登録アドバイザーで、自らもマレーシアの長期滞在ビザ(MM2H)を取得し、皆さまのビザの取得サポートをしています。
そこで今回は、マレーシアのMM2Hビザについて詳しく知りたいという方に向けて、以下の内容を解説します。
- マレーシアの長期滞在ビザMM2Hって何?
- 取得のメリット
- MM2Hビザの取得条件と費用
- 取得方法と注意点
後までお読みいただくことで、マレーシアのMM2Hビザが皆さんにとって有効なものであるかが判断できるようになります。
マレーシア|長期滞在ビザ(MM2H)とは?
MM2Hは、マレーシアに10年間の自由な出入国を認める観光ビザです。
正式名称は、Malaysia My Second Home(MM2H)
マレーシアが第二の故郷になってほしいという願いを込めて、このような名前が名付けられています。
我々日本人は、観光目的ならほとんどの国でビザ取得が免除されていて、その必要性を感じません。
しかし外国人は、その目的に沿ったビザ(査証)が必要になり、労働目的なら就業ビザ、学校に行くなら留学ビザなどを取得する必要があります。
国によってこのビザの種類は様々です。
マレーシアのMM2Hでは、観光目的でやってくる外国人に対し、「一定の要件を満たしている人なら10年間は自由に行き来していいし、なんなら住んでもらってもいいですよ」という、観光振興に寄与するためのビザとなっています。
- リタイア世代だけでなく、20歳以上であれば取得可能。家族も同伴できる。
- 一定の収入要件や資産要件を必要とするが、日本人にとってはそれほどハードルが高くない
- 取得後はマレーシアに10年間住める。居住の義務はなく、特別な維持費もかからない。
以上のように、取得に関する敷居が低く、維持も簡単なのが特徴です。
ただし、以下の点には注意が必要です。
- 10年間の更新制であるため、「永住ビザ」とは違い一生住めることが保証されているわけではない。
- 本質は観光ビザであるため、一部の例外を除き、基本的には「就業」や、大学に「就学」することは出来ない
長期滞在ビザMM2H(マレーシア)を取得するメリット
マイセカンドホームビザ(MM2H)を取得することで得られるメリットを見ていきましょう。
繰り返しになりますが、最大のメリットはMM2Hを取得することで、
10年間マレーシアに住めるということです。
マレーシアに興味がない人にとっては、大したメリットと感じないかもしれません。
しかし「運転免許」をイメージして下さい。運転免許もそれ自体は、「車を運転できる」だけですが、それを使いドライブをすることで、様々な景色に出会え、家族や友人や恋人と楽しい時間が作れます。
就職やビジネス活動に有利に働くこともあるでしょう。同様にMM2Hもそれを取得し、活用することで以下のようなメリットがあります。
メリット1:健康的な生活
マレーシアは、温暖な気候に恵まれています。
日本の寒い冬や真夏の酷暑、花粉がひどい時期などは、体調を崩しやすかったりしますよね。
一方で、マレーシアでは年中温かいので、長期滞在することで健康を保つことができます。
メリット2:生活コストが低い
生活コストを抑えることができることもメリットです。
物価は日本の約1/2~1/3。
5万円台でプールとジム付きのマンションがあるなど、日本ではできない贅沢や、設備や環境が整った場所に住めるのはマレーシア移住の特権です。
メリット3:資産運用が有利
マレーシアのMM2Hビザを持っていると、現地の銀行口座が開設できます。
ここに資産を預けておくことで、定期預金の利息が2%~3%程度は見込めます。
また、居住者であれば利息に対して税金はかかりません。
日本では買えない金融商品も多く、株やFX、暗号資産におけるキャピタルゲイン課税がないため資産運用に有利です。
メリット4:不動産投資も有利
マレーシアで不動産を買う場合に、MM2Hのビザがあると銀行の信用性が高くなります。
例えば、日本在住で現地のマンションを買おうとしても、全額自己資金か日本の銀行で借りるしかありません。
しかしMM2Hを持っていれば、マレーシアの銀行でも融資が受けられ、その金利が低くなるなど有利な条件で資金調達できます。
メリット5:ビジネス面でもお得
MM2Hでは、特定の業種で週20時間までは特別に働くことが許可されています。
しかし、原則は観光ビザの区分であり、就業ビザではないので、会社などに勤めて給料をもらうことはできません。
とは言え、投資活動として会社設立時の発起人になることができるので、ビジネスオーナーとしての配当を得るチャンスが広がります。
メリット6:税制面がお得
日本に滞在していると、年金などは額面どおりにもらえるわけでなく、健康保険料や所得税・住民税が引かれ、実際の手取りは80%~90%程度になると言われています。
しかし、MM2Hを使ってマレーシアの居住者になれば、マレーシアの国外源泉の所得に関しては、源泉徴収されることがありません。
そのため、まるごと受け取ることができるので日本在住よりも最大20%程度手取りが増えます。(2022年のマレーシアの税制改正により、マレーシア在住での国外源泉所得に関して変わる可能性があります)
長期滞在ビザMM2H(マレーシア)の取得条件・費用
ここまで、マイセカンドホームビザMM2Hの特徴やメリットについて解説しました。
続いて、取得条件について解説します。
取得の条件|MM2H
前述のようにMM2Hは20歳以上の「一定の条件」を満たす人なら、性別や国籍を問いません。
英語が話せなくても問題なく取得できます。ただしこの「一定の条件」として、以下の内容をクリアする必要があります。
- 人的要件
- 収入要件
- 資産要件
マレーシアに滞在するためには、健康な人が求められます。
そのため、取得時には「健康診断」をする必要があります。
「血圧が少し高い」「腰痛もち」程度は問題にはならず、重篤な感染症以外であれば、ほとんどの人がクリアできます。
また「犯罪履歴証明書」で、過去の一定期間に罪を犯していなかったなどを証明し、善良なる市民として生活していることが必要になります。
申請前3カ月時点の収入が、手取りで月額1万リンギット(約28万円)以上であることが求められます。
資産要件に関しては年齢によって、以下のように分かれています。
金融資産を50万リンギット(約1,400万円)以上保有し、ビザ取得後30万リンギット(約840万円)以上をマレーシア国内の銀行に預けること
金融資産を35万リンギット(約980万円)以上保有し、ビザ取得後15万リンギット(約420万円)以上をマレーシア国内の銀行に預けること。
なお、預けたお金は特別の定期預金口座に入れられ、元金+利息がビザ解消時にお金は全額返金されることが保証されています。
なお、この預けたお金で住宅の購入や、教育に関わる費用など、特定の用途ならその一部を引く出すことも可能です。
このように20歳以上で、一定の資産や収入であればどなたでも取得することが可能です。
そして、申請自体はネットなどを使い日本国内からでできますが、仮審査が通れば最終的な本審査はマレーシアに本人が行く必要があります。
今はネット申請でビザ取得が完結する国もあるようですが、マレーシアのMM2Hはそうでないため、取得するときにマレーシアに渡航ができる時間的余裕があるというのも取得の条件としては大切であるといえます。
申請費用|MM2H
政府公認のエージェント経由で行う場合、サポート費用として15万円〜20万円くらいかかります。
その他にも以下のような書類を用意するのに、1〜3万円程度は見ておく必要があります。
- パスポート代
- 戸籍謄本の翻訳と認証
- 通帳の翻訳と認証
- 資産残高証明書
- 収入印紙代
- 証明写真など
また、本審査にはマレーシア国内のクリニックで健康診断をし、保険に入り、ビザの発行費用が必要となります。
これらに5万円程度が必要になります。
よって約30万円くらいかかると考えておくといいでしょう。
書類審査(仮審査)が通ると、実際にマレーシアに行く必要があり、渡航費と滞在費も必要になりますので、お忘れずに。
すべての書類が揃った時点で申請し、仮申請が下りるまで3〜6か月程度かかります。
仮申請の承認後は、6か月以内に現地に行って本申請をします。
本申請の審査には2~3日で終わるので、トータルでは半年〜1年ぐらいで考えましょう。
取得方法とステップ
エージェントを使って取得する場合には以下のような手順となります。
業務範囲やサービス内容を確認しエージェントと契約する
本人しか取集できない必要資料(犯罪履歴証明書、収入証明、資産証明など)を日本で用意する
STEP2の必要書類を踏まえ、エージェントがほかの書類を作成し、ビザ申請する
マレーシアより仮審査の通知がくるので、連絡が来るまでしばらく待つ
マレーシアに渡航し、本申請用の健康診断、保険加入、銀行口座開設などを行う
マレーシア現地にて本申請をする
優れたエージェントは、依頼者の要望や都合をよく聞いて、わかりやすい説明をし、スムーズに進めるノウハウがあります。
問い合わせに対して不親切であり、レスポンスが遅い業者は選んではいけません。
正式な資格やビジネス上の契約のない法人や、自称コンサルタントの個人エージェントも多くいるので、注意しましょう。
特に、個人エージェントはリーズナブルな値段でサポートをしていますが、なにかトラブルが生じても、本人に代わって対応することができません。
また、ビザを取得する場合にはパスポートのコピー、資産の状況、収入の状態、家族関係の情報など、デリケートな個人情報を提供することになります。
以上からエージェント選びは慎重に行う必要があります。
当メディアのパートナー企業様は、現地企業と提携している信頼とノウハウのあるサービスを提供されています。
MM2Hのビザ申請をご検討の方は、お問い合わせフォームよりお気軽にご連絡ください。
エージェントを使って申請を!|マレーシア 長期滞在ビザ
個人で申請した場合、手数料も浮くので、取得費用は一見安く済むようにも思えます。
ただしすべての書類収集や作成を行い、政府の申請窓口から来た連絡に対して直接対応する必要があります。
そして、場合によっては何度か直接現地に行かなくてはならない可能性もあり、健康診断のためのクリニックや、銀行も自分で一から探す手間もかかります。
このように考えると、エージェント活用して合理的に進めた方が余計な手間や時間が削減でき、トータルのコストの削減につながると考えられます。
またマレーシアでは、日本では考えられないような急な要件変更が起こりえます。
実際に、2021年8月11日に、資産要件や収入要件などを中心に大幅な変更の方向性が発表されました。変更内容は、また別記事で詳細を解説しています。
MM2Hを取得するには、正確な情報をキャッチし、スムーズな手続きを行うことが大切です。当メディアでは、MM2Hのサポートをしています。
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