- フィリピンに移住してみたいけど、どのビザで渡航したらいいかよくわからない
- ビザについて調べたけど種類が多くて分かりにくい!
- 大使館のホームページや他のサイトを見てもよく分からない!
フィリピン移住を考えている人の誰もが抱える共通の悩みです。
記事を書いている私は、フィリピンのセブ島に留学生として3ヶ月、現地就職を通じて移住生活をしてきました。
今回は、フィリピンの移民局の公式ページや、JETRO(日本貿易振興機構)から出されている情報を参考にしつつ、最新のビザの種類とそれに伴う現地で必要な手続きについて解説をしていきます。
本記事をお読みいただくことで、皆さん一人ひとりの移住スタイルと期間合わせて必要になるビザの種類が分かるようになります。
ネット上では、個別のビザの説明があるだけで移住のタイプ別にオススメのビザが紹介されているものが少なかったため、なるべく分かりやすく解説してみました。
ビザの前にフィリピン移住のスタイルと期間を決めよう
フィリピンのセブ島などで移住を考えたとき、検討すべきビザは以下のように沢山の種類があります。
- ノービザ(ビザなし=入国ビザとも言う)
- 観光ビザ
- 就労ビザ
- 条約投資家ビザ
- クォータビザ(特別割当ビザ)
- ノンクォータビザ(婚姻ビザ)
- リタイアメントビザ(SRRV)
- 特別投資家ビザ(SIRV)
- APECO特別永住権プログラム (ASRV=旧APRV)
みなさんが目指す移住のスタイルと期間によって取得すべきビザが変わります。
そのため、自分がどのタイプの移住スタイルに当てはまるかを先に確認することは大切です。
以下に移住のタイプを3つあげました。
1.短期移住(プチ移住)、ワーケーション
移住タイプの1つ目は、旅行の延長で短期的に移住したり、仕事と組み合わせてワーケーションで滞在するパターン。
現地企業に就職しない、現地企業で働かない場合はこちらにあてはまります。
ワーケーションとは現地で過ごしながら短期的に日本の仕事をするライフスタイルです。下記も参考にどうぞ⇣
2.中期移住、現地就職
移住タイプの2つ目は、現地就職などで中期滞在するパターン。
現地就職する以外にも、ITフリーランスなどでしばらくの期間現地に滞在して、仕事をリモートでやったりする場合や、年金暮らしでしばらくフィリピンに住もうというシニアの方々もここに該当します。
3.長期移住、永住、デュアルライフ
移住タイプの3つ目は、
生活の拠点を完全にフィリピンに移して永住したい、資産を持っている投資家でいつでも行き来できるデュアルライフ(2拠点生活)を送りたい場合。
あるいはフィリピン人の奥さんや夫を結婚相手とする場合もこのパターンに該当します。
- 滞在期間の目安:3年間以上〜、デュアルライフ
- 検討すべきビザの種類:リタイアメントビザ、クォータービザ、結婚永住ビザ、特別投資家ビザ、APECO特別永住権プログラム
ここまでの内容を以下にまとめます。
皆さんがどのパターンに当てはまるかを確認しましょう。
移住タイプ | 滞在期間の目安 | 検討すべきビザの種類 |
---|---|---|
短期移住(プチ移住)、ワーケーション | 1〜6ヶ月 | ノービザ、観光ビザ |
中期移住、現地就職 | 6ヶ月〜3年間 | 就労ビザ、条約投資家ビザ |
長期移住、永住、デュアルライフ(2拠点生活) | 3年以上 | クォータービザ、結婚永住ビザ、リタイアメントビザ、 特別投資家ビザ、APECO特別永住権プログラム |
フィリピンで短期移住、プチ移住するのに必要なビザ
ではここから、短期移住(プチ移住)・ワーケーションで1〜6ヶ月過ごすのに必要になるビザの解説をします。
ノービザ(ビザなし、入国ビザ)
フィリピンでは、パスポートがあれば入国時に30日間有効のビザが空港で発行されます。(※ノービザと言ったり、入国ビザと言ったり、表現がバラバラです)
セブ島などに旅行に行く人はみんな気づいていませんが、入国審査の窓口でパスポートにスタンプを押された時点で30日間のビザが発行されています。
30日間の滞在以降も延長して滞在したい場合には手続きを行うことで、以下の観光ビザ(9A)に移行することができます。
観光ビザ
30日間以上、フィリピンに滞在したい場合は移民局(イミグレーションオフィス)で更新します。
最初の更新で59日間まで滞在でき、2回目以降の更新では2ヶ月毎の延長となり、最大3年間延長できます。
観光ビザで3年も過ごせるのは東南アジアの中でも軍を抜いており、延長を繰り返して長期滞在を実現する人もいます!
セブの場合は、Jモールという場所に移民局があり、更新手続きができます。
手続きは面倒だったり、書類の不備で出戻りになって時間を浪費するケースが多いことから更新サポートをしているサービスもあります。
フィリピンで中期移住するのに必要なビザ
続いては、6ヶ月〜3年間の中期移住や現地就職する人に向けたビザの解説です。
フィリピンでは、観光ビザの延長を繰り返せば最大3年間も滞在できるということを説明しました。
なので、中期で移住したい人も観光ビザの延長という手段はありです。
しかし、現地就職したり、駐在員で行ったり、投資家として中期にわたり移住したい場合は次の2つのビザが対象になります。
就労ビザ
フィリピンの現地企業に就職して働く場合に必要になるビザです。
就労の期間によって発行されるビザの種類が変わります。雇い主が手配するものなので、基本的に心配の必要はありません。
もし就労ビザの確認をして手配をしてくれない場合、ブラック企業の可能性があるので要注意です。
(※設立間もない企業の場合は自己手配をしないといけない場合もあります)
(補足)
外国人労働局(DOLE)で労働許可証(AEP)を取得後、就労ビザを申請をする流れとなります。
⇒AEPについては記事後半で説明します。
条約投資家ビザ
フィリピンで設立された会社又は日本の会社との合弁会社で、持ち株が30万ペソ 以上あると取得できるビザ。日本、アメリカ、ドイツ国籍者のみ対象。
持ち株が30万ペソ以上(約68万円)となる会社を設立することが条件です。外国人就労許可証を取得すれば、フィリピンでの就労も可能となります。また、結婚相手と21歳未満の子供を同伴させることもできます。
滞在できる期間は1年間で、毎年更新が必要です。
フィリピンで永住するのに必要なビザ
ここまで、短期移住と中期移住で検討すべきビザについて解説しました。
いよいよ永住権を狙うためのビザを解説します。
種類は以下の通り。
- クォータービザ
- ノンクォータービザ(結婚永住ビザ)
- リタイアメントビザ
- 特別投資家ビザ
- APECO特別永住権プログラム(ASRV)
長期滞在できるビザを取ることで、働くことができたりビジネスの立ち上げができたり、投資活動がしやすくなったりとメリットは沢山あります。
一方デメリットは、ビザの種類によっては取得までの時間が数ヶ月〜半年かかったり、取得にかかる費用が高いことです。
とは言え、フィリピンに住み慣れて、ココで暮らそうと!意を決したら観光ビザの延長滞在から切り替えを検討するタイミングです。
特徴をひとつずつ解説します。
特別割当永住ビザ(クォータービザ)
フィリピンから発行されているビザのなかでも1番プレミア感のあるビザです。
特別割当ビザとも言われます。
フィリピンと移民協定を結んでいる日本、アメリカ、ドイツ国籍の人しか取れません。
そして各国籍に対して年間に50人しか取得が許されていない特別永住権です。
一度取れば滞在は無期限で、フィリピンに住所さえ持っていれば居住する義務もないので日本で暮らす期間があっても問題なし。
現地に居住しなくても永住権が維持できるのは世界的に見ても稀で、自由度が高いです。
デメリットは、取得に時間がかかる・預託金が500万円以上必要なことです。
しかし、ビザの取得が完了すれば、預けている500万円の預託金はを自由に使うことができます。
この点は、引き出しの自由がきかないリタイアメントビザのSRRVと大きな違いです。(SSRVについては後述します)
取得代行業者に頼むとさらに追加費用がかかります。年間50人と枠が狭く、時間とお金もかかります。
結婚永住ビザ(ノンクォータービザ)
フィリピン人の女性や男性と結婚した場合に発行されるのがノンクォータビザと呼ばれる結婚永住ビザです。
離婚しない限り、無期限の滞在ができます。
永住権になるので、現地での就労やビジネスもできます。
日本で婚姻関係を証明するための書類(=戸籍謄本)が必要になります。
最初に手に入るのが仮永住ビザという位置づけになり、それ自体も手続きに3〜4ヶ月ほど時間がかかります。
(1年後に正式なビザを取るために再申請が必要)
そんな理由から、バリックバヤンビザ(結婚一時滞在ビザ)というものが用意されています。
入国時に結婚相手のフィリピン人と同伴にて入国することで1年間の滞在が許可されます。
リタイアメントビザ(SRRV)
フィリピン退職庁が発行する永住ビザです。
リタイア(退職)という名前がついているのにも関わらず、35歳から応募できます。
⇒2021年5月17より、50歳以上に年齢要件が変更になりました。
さらに、日本人と結婚している場合、結婚相手とその子供(21歳以下)も連れて永住できます。
このようなメリットから子供の英語教育のためにも、物価の安いフィリピンで移住する家族も増えてきています。
ちなみにフィリピンのセブ島やマニラではインターナショナルスクールがあるので、子供のバイリンガル教育としても注目を集め始めています。
デメリットは2万ドル〜5万ドル(220万円〜550万円)の預託金が必要であることです。
また、前述のクォータビザでは預けた預託金約540万円は、ビザ取得後に引き出しが可能ですが、リタイアメントビザでは引き出しが許されていません。(※条件により不動産投資にまわせる)
しかしビザ自体を放棄した場合は返金されるので安心を。
申請からおよそ1ヶ月以内で発行され、もっとも確実、簡単に取得しやすい永住ビザと言えます。
みなさんが35歳でフィリピンに長く住みたいと思うなら個人的にオススメのビザです!
このリタイアメントビザ(SRRV)は、
- スマイル
- クラシック
と呼ばれる2種類に分けられ適応条件が少し異なります。
SRRVスマイルビザは、預託金が2万ドル(約220万円)必要で年会費が360ドル(約4万円)かかります。
預託金を引き出して使用することはできませんが、ビザを放棄した場合は返金されます。
永住の許可を与える代わりにフィリピン経済に貢献してね。ということです。
SRRVクラシックビザがSRRVスマイルと違う点は1つだけです。
それは預けた預託金を不動産投資に回せるということです。
投資に回せることでお金が大きくなって返ってくる可能性があるのでいいですよね。
預託金の金額は年齢によって変わります。
- 35〜50歳未満:5万ドル(約550万円)
- 50歳以上(年金受給なしの場合):2万ドル(約220万円)
- 50歳以上(年金受給ありの場合):1万ドル(約110万円)
◎長くなったので、まとめと一覧表で情報を整理します。
【2024最新】フィリピンのリタイアメントビザSRRVで永住権取得!(条件・費用・メリットを徹底解説)特別投資家ビザ(SIRV)
投資庁が発行する投資家のための永住ビザで、21歳以上が対象です。
取得することで無制限に滞在できます。
7万5000ドル(約820万円)の株式投資が必要となるので、かなりの高額ですね、、
しかし、家族などの同伴者の人数に制限なく永住ができます(就労も可能)
資金的に余裕のある投資家さんであればチャレンジしてもいいかもしれません。
APECO特別永住権プログラム ASRV(旧APRV)
フィリピン政府とフィリピンにあるオーロラ州が取り組んでいる振興開発事業のプログラムに参加することで、永住権が取得できるシステムです。
APECOとはAurora Pacific Economic Zone and Freeport Authority の略で、日本語にすると「オーロラパシフィック経済特区および自由港庁」となります。
永住権の取得権利に加え、60日の無料宿泊可能なリゾート会員権が取得できるという特典付きです。
簡単に言うとフィリピンの経済特区の発展に貢献してくれたら永住権を渡しますよ。という内容です。
振興開発の中には、高級リゾート開発や自然環境のためのエネルギー関連、貿易の促進などがあります。
申請に年齢制限はなく、プログラム参加費(事業開発の支援費用)として220万円がかかり、さらに登録手数料150万円がかかります。
投じた資金は戻って来ませんが、5日間の滞在でサクッととれるため資金的に余裕のある富裕層には効率的な方法です。
かつ60日間無料のリゾート会員権が付いてくるので実質的なキャッシュバックを受けられると考えていいでしょう。
▶【今がお得!】フィリピン永住権APECOの申請メリットを分かりやすく解説
ここまで、フィリピンで永住するのに必要なビザについて解説しました。
情報が沢山できてきましたので、
最も人気で一般的に検討されやすい3種類(クォータービザ、リタイアメントビザ、APECO)に絞って、一覧表でまとめます。
ビザに伴い必要になる許可証
フィリピンでの就労を希望する人はAEP(外国人雇用許可証)あるいはSWP(特別就労許可証)を取得する必要があります。
この2つは、就労期間によってどちらを取るかが変わってきます。
許可証 | 対象と働く期間 | 発行元 |
SWP(特別就労許可証) | 6カ月未満で就労する外国人 | BI入国管理局 |
AEP(外国人雇用許可証) | 6カ月以上の就労をする外国人 | DOLE労働雇用省 |
AEP(外国人雇用許可証)
AEP(外国人労働許可証)とは、フィリピンにおいて雇用される外国人が必ず取得する必要のある労働許可証で、外国人労働局(DOLE)から発行されます。
セブ島などフィリピンで働く場合は、取得が必要であると理解しておきましょう。
就労可能なビザを取得する上で、まずAEPを取得することが必要です。
AEP(外国人労働許可証)の詳細は、別記事でまとめます。
SWP(特別就労許可証)
SWPも目的はAEPとほぼ同じと考えて問題ありません。外国人がフィリピンで働くのに必要なものです。
取得すると観光ビザでも就労が認められるようになります。
違いは、働く期間と発行元が変わる点です。
SWPでは、6ヶ月未満フィリピンで働く場合に義務付けられている特別就労許可証です。
SWPは1回の申請で3ヶ月間有効で、1回のみ延長することが可能です。(=合計6ヶ月)
さらに延長したい場合は、DOLE(外国人労働局)にAEPへの切り替え申請を期限が切れる21日前までにする流れです。
ACR-Iカード(外国人登録証)
ACR-Iカード(Alien Certificate of Registration Identity Card)は、 フィリピン移民局が外国人のフィリピン居住者を把握するために、60日以上国内に滞在する外国人に発行を義務付けているものです。
観光・留学など滞在目的に関わらず申請をする必要あります。1週間~2週間の短期滞在であれば申請する必要はありません。
入国管理局(イミグレーションオフィス)にて申請が可能です。
退職庁が発行するリタイアメントビザを取得される方は、ACR−Iカードを申請する必要はありません。
なぜなら、リタイアメントビザを取得したときには、フィリピン退職庁が発行するPRA(Philippine Retirement Authority Card)カードという「外国人登録証」が発行されるからです。
出国時に空港でACR-Iカードを保持していないと罰金を課せられる場合がありますので、取得しておきましょう。
まとめ:移住するならフィリピンのビザが1番お得
今回の記事では、移住のタイプ別に検討すべきビザについて解説しました。
他の東南アジアと比較しても、フィリピンのビザの優遇さとコストパフォーマンスは抜群です。
ボリュームのある内容でしたので、今一度下表で自分の移住タイプを確認しつつビザの内容をチェックしてください。
移住タイプ | 滞在予定期間 | 検討すべきビザの種類 |
---|---|---|
短期移住(プチ移住)、ワーケーション | 1〜6ヶ月 | ノービザ、観光ビザ |
中長期移住、現地就職 | 6ヶ月〜3年間 | 就労ビザ、条件投資家ビザ |
永住、デュアルライフ(2拠点生活) | 3年以上 | クォータービザ、結婚永住ビザ、リタイアメントビザ、 特別投資家ビザ、APECO特別永住権プログラム |
フィリピンでは、観光ビザの延長で最大3年間も過ごすことができるので、永住権を急いで取得すべきかは専門家に相談するようにしましょう。
フィリピンが好きで、ずっと住みたい、働きたいという人は就労ビザに切り替えたり、長期ビザへの切り替えを考えていきましょう。
資産のある富裕層の人は、条件が今後悪くなる前に資金を積んで永住権をスパッと取ることも考えるといいでしょう。
世の中にはビザの取得を斡旋する会社があり手数料も高いことが多いので上手い誘い話には十分に注意するようにしてくださいね。(手付金だけ数十万円取って逃げるという個人、企業があったりします)
フィリピンのビザに関してご質問がある方は無料相談フォームよりお問合せ下さい。
当メディア運営元でも、フィリピンの移住のための相談〜ビザの申請、更新サポートを行なっております。
フィリピンのセブ島に興味がある方は下記の記事も参考にしてくださいね。生活費の全てを解説しています。
セブ島移住、ビザ、住まい探しについて相談
直接、詳しく相談したいなら
まずは気軽に相談したいなら
凄く細かい説明でわかりやすいです。
ありがとうございます。
フィリピンに凄く興味有ります
1度プチ移住を考えてます。